世界の海でダイビング 水中写真やダイブサイトのおひろめ

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20209/20

のどかなダイビングの象徴のようなキンギョハナダイ

スズキ目ハタ科ハナダイ亜科キンギョハナダイ
黒潮の影響を受ける南日本、フィリピンからニューカレドニアあたりの西部太平洋、インド洋、紅海に分布
水深10~20mの岩礁やサンゴ礁に生息

金魚のような魚だけど雄雌で色と大きさが違う!!!

 

サンゴの周りに集まってひらひら泳ぐ金魚のような魚、あったかい海ののどかなダイビングの象徴のような光景を作ってくれるのが、キンギョハナダイです。青い海に赤い魚が集まっているだけでも美しいものです。
赤に近いオレンジ色で9センチ程度になるのが、雌。無数に泳いでいます。
オスはメスより大きく最大15センチ、紫に近い赤色で胸元に濃い赤紫の斑紋があり、背びれの一部が糸のように長く伸びています。数が少なく、群れにいないこともあれば、いても数匹。ごくまれに、オスだけで集まっているのを見ますが、無知秩序に泳ぎ回っていて、どことなく戦っている雰囲気があります。
1つの群れには、幼魚から成魚まで混じっているので、メスの大きさはばらばらです。

サンゴとエサを分け合う??

オオイソバナなどのサンゴの周りにただよっているキンギョハナダイ。
みんな同じ方向、流れに逆らうように1方向に向かってひらひらと体を震わせいるのは、エサが流れてくるのを待っているのです。時々パクっと動物プランクトンを食べています。
サンゴも流れてくる動物プランクトンを食べています。
泳ぐ魚と動けないサンゴですが、同じ生息環境で、同じ食べ物を分け合って暮らしているわけです。

メスがオスに性転換する

 

多くのハナダイの仲間と同じように、キンギョハナダイもメスからオスに性転換します。
卵から孵化し、1か月で体長1センチ、1年後には6.5センチくらいになりメスとして成熟します。
一つの群れの中でオスに性転換する魚はあらかじめ決まっており、群れの雄がいなくなった時に、メスの性転換が起こります。
メスとして成熟した後にオスに性転換することを、雌性先熟型と呼びます。

逃げないから観察、撮影しやすい

キンギョハナダイは生活岩と呼ばれる特定の岩やサンゴを中心に暮らしていて、遠く離れることはないので、観察しやすく、写真を撮りやすい魚です。
逃げても隣のサンゴまでふわっと移動してゆく程度です。
オスが背びれを立ててメスにアピールしている様子なども頻繁に観察できます。

紅海、日本、ニューカレドニア、全部同じ種類?

 

大陸の割れ目のような紅海、比較的緯度が高くて赤道から離れている伊豆、南半球のニューカレドニア、今のところ1つの種類とされていますが、正しいのでしょうか?

場所によって色も違っています。
写真は、上から順に
・ソロモン諸島のオスとメス
・フィリピンアニラオの群れ
・紅海のメス
・パプアニューギニアのオス

ありふれた魚すぎて、研究の対象となっていないのでしょうか。分類学的検討が待たれている魚です。
大学のダイビングサークルなどに取り組んでいただきたいテーマです。

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