世界の海でダイビング 水中写真やダイブサイトのおひろめ
世界中の海に潜りダイビングを楽しんでいます。見られる魚、海の特長ダイビングクルーズやリゾートでの毎日のスケジュールなどを写真を使って紹介します。
© 世界の海でダイビング 水中写真やダイブサイトのおひろめ All rights reserved.
奄美大島の固有種アマミホシゾラフグが造る海底ミステリーサークルはダイビングで見られる!!
奄美大島に潜るダイバーに最も注目されているのは、砂の海底に「ミステリーサークル」を造るという変わった生態の「アマミホシゾラフグ」。
NHKのテレビ番組「ダーウィンが来た」や、2019年マリンダイビングフェアで紹介され、ダイバーの知名度や興味が急上昇しているところです。
目次
新発見された固有種アマミホシゾラフグ
アマミホシゾラフグは、2012年に新発見された体長10~15cmのフグで、頭~背中側が薄い茶色、お腹側は白色で、全体に白色の水玉模様があります(針の跡?)。
「奄美大島にちなんだ夢のある名前を付けて欲しい」との地元の人の願いを汲んで、体の白点を奄美の夜空に散らばる星々に例えて名づけられました。
学名は、「Torquigener albomaculosus」。
このフグは、主に、奄美大島の南側~加計呂麻島の北側、奄美大島北部だけで観察されていますが、沖縄県でも海底100mから釣り上げられた記録があります。
地味な魚ですが、「2012年に新発見された奄美大島固有種」と言われると、見に行かなきゃ、って気になりませんか?
アマミホシゾラフグが造りだす海底ミステリーサークル
ミステリーサークルは砂の海底に造られています。直径2mくらいの円形で盛り上がった砂の建造物(大げさかな?)です。
大小2つの円と、円をつなぐ放射状の線の模様が刻まれています。
これは、オスのアマミホシゾラフグが、メスに卵を産んでもらうために作った巣(産卵床)です。
7日~9日かけて砂を掘ったり積んだりして作り、放射状に並んだピークに貝殻やサンゴの破片を飾ると、完成です。
ミステリーサークルが出来上がると、どこからともなくメスがやって来て、円の中心に産卵します。
オスは1週間程度巣に残って卵の世話をしますが、産卵後は巣そのものの手入れをしないので、海流で崩れていきます。
稚魚が孵化するまで世話をした後、オスは別の場所にミステリーサークルを作り、次の繁殖サイクルに入ります。
10cmの魚が2mのミステリーサークルを作るわけですが、人間に例えると、身長150cmの人が30mのサークルを作ることになります。
小さい魚に、いったいどんなプログラムが組み込まれているのでしょう…
ミステリーサークルはいつ見られるの?
ミステリーサークルは、3月~7月の大潮前の若潮の頃に作成され、完成の翌日から2日後に産卵をしているようで、この時期にはミステリーサークルとともにアマミホシゾラフグが見られる可能性があります。
産卵の後、うねりや海流によって徐々に壊されてゆきますが、残ってはいるようです。
作る時期に海が荒れていると作らないこともあるので、ねらって飛行機を予約しても残念な結果になる可能性もあります。
ミステリーサークルのできる水深は? 誰でもダイビングで見れる?
海底ミステリーサークルは10~30mあたりの水深に作られています。
地域によって水深が異なるようです。水深25mが厳しい方はショップに問い合わせて、浅場のミステリーサークルに連れて行ってくれるショップを探しましょう。
また、産卵のための巣なので、アマミホシゾラフグだけでなくミステリーサークルにも影響を与えないように観察しなければなりません。
砂を巻き上げない中性浮力スキルは必須なので、経験の少いダイバーには技術的に少し厳しいかもしれません。
奄美大島のダイビング、奄美大島への行き方
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
宮古島で難易度最高のダイビングポイント「通り池」の魅力とレベルが高い3つの理由を解説
宮古島3大ポイントの一つ、通り池。ダイビングをしない方の観光地の一つですが、海の中からも通り池を楽しめるのはダイバーの特権。せっかく宮古島で…
日本固有種のチョウチョウウオ、ユウゼンが玉になる・八丈島
八丈島は、東京から南へ約290kmにある周囲約60kmの火山島です。伊豆七島の最南端にあり、1年を通じて気候が温暖なので、伊豆諸島の中でも屈…
この記事へのコメントはありません。